wakimizugasukiのブログ

私の運命の、一生の推し。

たとえばの狂気

職場へと降り立つ

駅の改札は

最近やっと大きい工事が終わり

今までのことは無かった事にしたい!

そんな願いを一手に担ったような

解放的でスタイリッシュな

仕上がりだ。




私にお似合いの古い地下通路なんかは

まだ残ってはいるのだけれど

あれもいつかは

素敵な笑顔で

もう要らないよ!と完璧に埋められるのだろう。




今は毎日、その地下通路から

改札に向かうと

一気に視界は明るくなり

チグハグな私の一日の始まりを

さらに憂鬱にさせるのだ。




だが、ひとつ



チグハグついでで、ひとつ

新しい改札横の柱に

彼がもたれて私を待ってるという

現実逃避の幻覚を見たことがあって



平日の朝なのに

お馴染みの黒の半袖短パン姿で

携帯をいじって私を待ってる。



そして私に気がついて、ニコッと彼は笑うのだ。



憎き改札を

しかめっ面で二人で出れば、

互いに顔を見合わせて

もう一度……笑うのだ。



そして職場とは……真逆の方向へ

手をつなぎ……

風を切って歩いて行く……。









そして……そこで正気にもどる。







この幻覚のおかげで私の毎日は済むのだ。

治安は最高。

幻覚、妄想。で私は済む。

そんな人間なんだから。










脳内BGMは新曲だと決めてるの。